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【ファーザー】ネタバレ感想!ラストのアンソニーホプキンスに心震える

最後まで観たらもう一度観たくなる映画【ファーザー】

この記事では、映画【ファーザー】についてあらすじ・ネタバレ・考察・感想をまとめています。

老いた父親の役を「羊たちの沈黙」でアカデミー賞を受賞したアンソニー・ホプキンスさん、娘の役を『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞®を受賞したオリヴィア・コールマンさんが演じます。

公開:2020年
製作国:イギリス
監督:フロリアン・ゼレール
上映時間:1時間36分
ジャンル:ヒューマンドラマ
キャスト:アンソニー・ホプキンス/オリヴィア・コールマン/マーク・ゲイティス/イモージェン・プーツ

良かった度

映画【ファーザー】ってどんな映画?

映画【ファーザー】は老いによって記憶を失っていく父親アンソニー(アンソニー・ホプキンス)とその父親を支える娘アン(オリヴィア・コールマン)の物語です。

認知症が信仰しつつあるアンソニーの視点から見た世界のお話で、現実と記憶がごちゃまぜとなって映るので、観ている私たちもアンソニーの混乱を体験していきます。

決してきれいごとでは済まされない認知症の現実が描かれています。

映画【ファーザー】ネタバレ

以下ネタバレです!

アンのパリ行きの話

ロンドンに住む父アンソニーの元へ娘のアンが訪ねてきた。

アンソニーを介護していたアンジェラが、暴言を吐かれたと言って辞めてしまったからだった。

アンジェラは3人目の優秀な介護人だったためにアンは嘆いたが、アンソニーはアンジェラが腕時計を盗んだと言った。

アンと口論になり自室に行ったアンソニーは、部屋から戻ってくると腕時計をはめており、

アンジェラを疑った事などすっかり忘れてしまっているかのようだった。

アンはそんなアンソニーにパリに行くことになったと告げる。

恋人ができ、ロンドンを離れるから毎日は来られないと言うアンにアンソニーは、「見捨てるんだな。私はどうなる」と言った。

アンの夫ポールと別れた夫ジェームズ

アンソニーが音楽を聴きながらキッチンで紅茶をいれていると物音がする。

リビングに行くとソファーに男が座っており「順調ですか?」とアンソニーに語り掛けた。

男性はポールといい、10年も前からアンの夫だと言う。

そしてここに住んでいると言い、アンジェラと揉めたアンソニーを次の介護人が決まるまで一時的に預かっていると言った。

アンソニーが混乱していると買い物に行っていたアンが戻ってきたが、アンソニーはその人物に見覚えがない

しかしその女性はまるでアンのようにふるまい、女性は買ってきたチキンをポールに渡してアンソニーの話を聞こうとした。

混乱の中、アンソニーは「キッチンで紅茶を作っていたらお前の夫がいた」と話す。

しかし女性は「私に夫はいない」と言う。

「夫ジェームズとは別れて5年以上たつ」と言うので、アンソニーがキッチンへ行ってみると、チキンを作っているはずのポールはいなかった。

女性はおかしなことが起きていると言う父を慰め、薬をのませた。

ルーシーに似た介護人ローラ

アンソニーがベッドで新聞を読んでいると、ローラという名の新しい介護人がやってきた。

アンはローラにアンソニーの気難しさを伝えたが、アンソニーはローラの事をとても気に入り、ローラに酒を出し陽気にダンスを踊って見せた。

そしてアン以上にかわいがっていたという次女ルーシーの話をし、ルーシーは画家で世界中を旅しているから会えないと言って、彼女が描いたという暖炉の上に飾ってある絵を見せた。

しかし父の話に愛想よく笑っていたローラに突然、「ルーシーに不愉快な馬鹿笑いが似ている」と言い始めた。

そして30年以上住んでいる大事な家をアン夫婦に取られると言い出したアンソニーは、アンより長生きしてアンの葬式でアンがいかに冷酷だったかをスピーチすると言った。

そしてこの家を離れないと言い、ローラに別れを言って部屋に戻った。

アンの夫からの嫌味

アンは薄暗いキッチンにいた。

コップを落とし、かけらを拾いながら泣き、そのままアンソニーが眠っている寝室に行き首を絞めた

夫に話しかけられ我に返ったアンは、夫に尋ねられ今度の介護人は父と気が合いそうだと言って喜んだ。

しかしチキンを買って戻ってきたアンを、アンソニーは誰だかわからない様子だったと言って傷ついていた。

夕食前、部屋から出て来たアンソニーは、夫の腕時計を見て自分の腕時計を探し始めた。

アンソニーが大事なものを洗面所に隠している事を知っていたアンは、腕時計を探しに行った。

アンソニーはしつこく夫に腕にしている時計について尋ねていたが、アンソニーはアンとは気が合わないと言い始め、次女ルーシーとは気が合って可愛かったと言い、楽しそうに昔を振り返り始めた。

すると夫はアンソニーに、「いつまで僕らを苛つかせるつもりなんです?」と質問した。

病気と言われる

ある日アンソニーはアンと一緒に医者の所へ行った。

アンソニーは医者に、アンがパリに行くまで一緒に住んでいると話すが、アンはパリに行く予定はないと言われ混乱する。

 

アンが夕食の買い物をしていると夫から電話があった。

急いで家に帰ると、アンソニーがセーターを着られずに困っていた。

裏返しになっていたセーターを直して着せるとアンソニーは丁寧にお礼を言った。

 

しばらくしてアンソニーがキッチンへ行くと、アンと夫が言い争う声が聞こえる。

アンソニーを老人ホームへ入れた方がいいと言う夫に反論するアン。

「お父さんは病気なんだ」と諭していたところで、2人は入り口で聞いていたアンソニーに気づいた。

夕食時、夫は新しい介護人が18時までしかおらず、夜はアンが面倒を見るとわかるとアンソニーに嫌味を言いだした。

いたたまれずチキンをもって席を立ったアンを見て、アンソニーはアンを心配する。

「アンは疲れているんです」と言う夫に、「何とかしてやってくれ」と言ったアンソニーの言葉に対して夫は「わざとやっているんですか?」と言った。

アンがキッチンから戻ってきて、アンソニーがチキンを取りにキッチンへ行く。

アンソニーを老人ホームへ入れた方がいいと言う夫にアンは反論した。

「お父さんは病気なんだ」と諭していたところで、2人は入り口で聞いていたアンソニーに気づいた。

アンソニーは驚いた顔でアン達を見ていたが、部屋に戻っていった。

叩かれる

次の日、目覚めたアンソニーは家の様子が変わっていることに気づく。

そして暖炉に飾っていたルーシーの絵がなくなっていることに気づき、朝食を作っているアンに尋ねるが、ルーシーの絵はアンソニーの家にあるという。

しかし暖炉の壁には、ルーシーの絵が飾ってあったためにできた日焼けの跡があった。

アンソニーが絵の跡を見ていると、新しい介護人のローラが紅茶を入れてやってきた。

ローラはアンソニーに薬を飲ませようとしたが、その時のローラの言葉使いが気に入らず「バカにしている」と言って怒りだした。

ローラは謝り、アンソニーに薬をのませ「公園に行くために着替えをしよう」と提案する。

その時、戸口にポールが現れ、「順調かな?」と聞き、そしてアンソニーに質問した。

「あなたは一体いつまで僕たちを苛つかせるつもりなんですか?」

「このまま娘さんの人生を破壊し続けます?」

「何の話だ?」というアンソニーのほほをポールは叩き続けた。

泣き出したアンソニーの声に驚いて隣の部屋にいたアンが来る。

アンソニーのそばには夫がいた。

アンは泣いているアンソニーを慰めながら「チキンを食べましょう」という。

朝だと思っていたが、いつの間にか夜になっていたことにアンソニーは混乱していた。

ルーシーの真実

眠っていたアンソニーはルーシーの声で目覚めた。

アンソニーが廊下に出て声の方へいくと、いつの間にか病院の中にいた。

廊下を歩いていくと、ベッドの上に大けがをして横たわっているルーシーがいた。

 

次の日、アンソニーは朝食を作っているアンの元へ行こうとして扉をあけるが、そこは物置だった。

アンがアンソニーに今日はローラが来ると言うと、ローラの事が気に入っていたアンソニーは喜んだ。

しかし現れたのはアンソニーが会ったローラではなく、以前アンだと言ってアンソニーの前に現れた女性で「ローラ」だと言った。

「この人じゃない」と言って狼狽えるアンソニーは、アンと女性を振り切り寝室へ戻った。

ホームへ

アンソニーの寝室にアンが入ってきた。

そして「この部屋いいでしょう」とアンソニーに尋ね、うちにいるより安心だし快適だと言う。

「お前はどこで寝るんだ?」と心配するアンソニーにアンは、「忘れちゃった?私はパリに住むのよ」と言う。

「私はどうなる?」と言って泣き出すアンソニーは「ルーシーはどこにいる?とたまらなく会いたい」と言った。

老人ホームをでて、一度振り返りアンはタクシーに乗った。

真実

ベッドに座っていたアンソニーはアンを呼んだ。

部屋をでると、いつかのアンだったりローラだったりした女性がナースの格好をして別の老人と話している。

慌てて戸を閉めるアンソニーの部屋に、先ほどのナースが訪ねてくる。

「なぜ私はここに?」と尋ねるアンソニーに、ナースは数週間前からアンソニーはここのホームにいると伝える。

そしてずっとアンソニーの世話をしていると言うナースに、アンソニーは何度もアンの事やルーシーに似たローラという名の介護人の事を口にした。

ナースは、アンは何か月も前からパリに住んでいると説明するが、アンソニーはアンはパリに行くつもりだったが取りやめたはずだと納得しない。

ナースは「娘さんはポールという人に出会ってパリで暮らしている。そして時々訪ねてくる」と説明した。

そこへ、男性が声をかけて来た。

その男性は、前に会ったアンの夫ポールだった。

しかし彼はビルという名前で、毎日ホームでアンソニーに会っていると言い、ナースの名はキャサリンと言った。

混乱したアンソニーは、「私は誰なんだ?」と聞く。

「あなたは、アンソニーです。」とキャサリンが言うと、アンソニーは名付けた母親の事を思い出し始めた。

アンソニーは、出来れば母に会いに来て欲しいと言い「来るかな?ママ」と母親を求め、「ママを呼んで。迎えに来て欲しい」と言って背中をまるめ、子供のように泣き出した。

「なんだか急にすべての葉を失っていくようだ」と言い泣きじゃくるアンソニー。

「だが腕時計が腕にあるのはわかっている。旅に備えて。腕時計がなければ見失ってしまう」というアンソニーを、キャサリンはベッドに座らせ肩を抱き、優しく言葉をかける。

アンソニーはキャサリンに肩を抱かれながら、いつの間にか子供のように眠った。

考察:誰が誰で、何が真実?

アンソニーの視点は現実とごちゃごちゃになった記憶を通して見ている為に、アンソニーがいる場所が自宅なのか老人ホームなのか、アンの家なのかがはっきりしません。

観ている私たちもアンソニーと一緒にアンソニーの混乱を体験していきます。

誰が誰?

アンソニーのフラットでソファーに座っていたアンの夫ポール=ビル

おそらく実際にアンソニーに暴言を吐き、アンソニーを叩いたホームのスタッフ。

普段から温かみのない接し方をしているのかアンソニーの混乱した記憶の中では「冷たい」と表現されていた。

アンとして現れたり、ローラとして現れた女性=キャサリン

毎日アンソニーの世話をしているホームのスタッフ

毎日会っている為、混乱した記憶の中で娘や介護人として登場した。

優しくアンソニーに接していたであろうキャサリンは、記憶の中でも娘や介護人として登場している。

アンソニーを預かっていた時のアンの夫=ポール

アンソニーを預かっていた時のアンの夫はてっきり離婚したジェームズだと思っていたのですが、公式ホームページによるとポールのようです。

ローラ=ルーシーの幻?

アンソニーが気に入っていたローラという介護人は実際いたのでしょうか?

ルーシーが亡くなった事がわからなくなっていたアンソニーの、娘会いたさに見た幻なのかなと思いました。

何が真実?

真実と混乱したアンソニーの記憶が混在するのでわかりづらかったのですが、キャサリン視点とアン視点は真実だとするとこうなります。

  • ポールとアンは10年以上の夫婦(?)
  • アンソニーはアンジェラと揉めてアン夫婦の所に同居していた(真実)
  • アンソニーはホームに入居してる(真実)
  • アンとポールは数ヶ月前からパリに住んでいる(真実)
  • アンソニーの夫/恋人はポール(真実)
  • ジェームズとは5年前に離婚(?)

この情報で関係性を考えようとすると、こんがらがってわけがわからなくなります。

これこそ、アンソニーの混乱と同じなのかもしれません。

考察:腕時計はアンソニーにとって何だったのか?

エンジニアとして働いていたアンソニーは、腕時計をはめ時間をきっちりと管理しており、それは仕事を引退するまで続いたと思います。

その時代のアンソニーはまだ若く、家族や周りからも頼られ威厳に満ちていたと思います。

腕時計はその時代を証明するものであり、またアンソニーにとって欠かせないものだったのでしょう。

映画の最後でアンソニーは「腕時計がなかったら見失ってしまう」と言って泣いていました。

複雑に入り混じる記憶と現実の間で、自分が失われていくことに恐怖と心細さを感じるアンソニーにとって腕時計は、縋るものであり、お守りのような役目をしているのかなと思いました。

感想:ラストのアンソニーホプキンスに心震える

認知症になった父親の視点から見た作品ですが、アンソニーの恐怖や混乱だけでなく父親を支える家族の苦悩や介護人の苦労もしっかりと描かれていました。

いろんな世代がいろんな視点から観て、いろいろな想いを巡らせることができる映画だと思います。

ラストのアンソニーホプキンスに心震える

だんだんとわからなくなっていくアンソニーの恐怖がとても他人ごとではなく、両親と重ね、いつか同じ経験をするだろう自分と重ねて恐ろしく感じます。

今まで当たり前だった景色が崩壊していく恐ろしさ、自分にむけられる周りの苛立ちの理由がわからずに戸惑うアンソニーの悲しみと混乱。

周囲が自分のことをまるで何もできない幼児のように扱う事への苛立ち。

それらの感情がストレートに伝わってきました。

最後に母親を思い出し子供に帰って泣く姿は、切なくいつまでも心に残るシーンです。

アンの苦悩

暴言を吐き続け老いてわけがわからなくなった父親に翻弄されながらも、一生懸命尽くそうとしているアンの姿が描かれていました。

現実か空想なのかわかりませんが、アンソニーの言動に耐えられずに首を絞めてしまった一方で、寝ている父親の頭や顔を慈しみながらなでたり、医者に相談したくて電話をするが思いとどまって切ったりと、アンソニーをホームに入れるまでのアンの心の葛藤が現れていました。

最終的にはアンソニーをホームに入れたアンですが、ホームからタクシーに乗って帰るときの辛そうな表情が印象的でした。

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