この記事では、ネットフリックスで配信中の【ニッセ 闇に住まう者】のあらすじ・全6話のネタバレ・結末の考察・感想をまとめています。
休暇を楽しむために出かけた離島で、調子に乗り過ぎたためにパンドラの箱を開けてしまった一家。
こういう状況を描いたドラマは好きですが、主役ファミリーがなんだか自分勝手で、もやもやする映画でした。
公開:2021年
製作国:デンマーク
ジャンル:ファンタジー・ホラー
原作・制作:ステファン・ジャウォースキー
キャスト:ソーニャ・ソフィー・エングバリ・スティーン/ミロ・カンパナーレ/ヴィヴリル・スゴー・ホルム
良かった度
【ニッセ 闇に住まう者】あらすじ
クリスマスをオーマンズ島で過ごそうとやってきた一家。
近道の為に通った森の中で、何かを轢いてしまいます。
一家は気にせず休暇を過ごすための家に向かいますが、1人娘のヨセは気になって仕方がありません。
暗くなってから家を抜け出し、自転車で現場まで戻ってケガをした奇妙な生物を拾ってきます。
しかしその娘の優しさが仇となって、島は壊滅状態に追い込まれていきます。
【ニッセ 闇に住まう者】ネタバレ
オーマンズ島でクリスマス休暇を楽しむためにやってきた一家。
(夫マス、母シャルロット、兄キャスパー、妹ヨセ)
オーマンズ島は住んでいる人が数えるほどしかいない、森におおわれた島だった。
小型のカーフェリーに乗ってオーマンズ島に到着し、島の反対側にある目的地に車で向かう予定だった。
マスが船着き場にいた女の子に道を尋ねると、目的地まで沿岸道路を走るように言われるが、島を横切った方が早いと言って森の中を走行した。
しばらくすると、後部座席で兄弟げんかが始まる。
マスは喧嘩に気をとられ、何かを轢いてしまった。
車を降りて確認するとタールのようなものが車に付着していた。
森の向こうに張り巡らされたフェンスを見つけたヨセが歩き始めた時、1台の車がやってきて早くここから立ち去るようにと忠告した。
一家は目的地につき、荷ほどきを始めた。
その間家の外にでたヨセは、古い農具がしまってある不気味な納屋を見つける。
しばらくすると、シャルロットとキャスパーは、島にある店に飼い出しに出かけた。
店は祖母カーンと孫リウでやっており、野菜や日用品を売っている小さな店だった。
シャルロットが、カーンに挨拶がてら話しかけると、森での事故を知っていたカーンから「必ず沿岸を走るように」とくぎを刺された。
一方キャスパーは、リウが船着き場にいた女の子だと気づき話しかける。
つれない様子のリウだったが、キャスパーが去るときに、「明日、日の出、船着き場」とつぶやいた。
車にぶつかった何かをずっと気にしていたヨセは、夜こっそり家を抜け出し、自転車に乗って事故をした場所へ向かった。
森に張り巡らされたフェンスの近くでケガをしていた生物を見つけたヨセ。
コートに生物をくるみ歩き出した時、フェンスの向こうで見ている何かに気づき、あわてて走って逃げた。
生物を連れて帰り納屋に隠したヨセ。
ケガをしている生物に触れようとしたが、手をひっかかれてしまった。
次の日の朝、キャスパーはリウと海岸を話しながら歩いた。
楽しく話していたが、森から鳥が一斉に飛び立つのを見たリウは、急に帰ってしまった。
その鳥たちの様子は、カーンも見ていた。
カーンは、ムラ―という名の男性に『いけにえ』が必要だと指示した。
朝食をとっていた一家は、キャスパーのデートが失敗に終わった事で盛り上がっていた。
遅れて現れたヨセの手のけがに気づいたシャルロットは、ヨセの手に絆創膏を貼る。
一家は朝食後、森へクリスマスツリーを探しに行くことにしたが、ヨセは読書がしたいと言って家に残り、その間に食べ物と絆創膏をもって納屋へ行った。
生物は目が大きく頭がとがった小人の姿をしており、ヨセを警戒して隠れていたが、ヨセの持ってきたベーコンを喜んで食べた。
そのころ、ムラ―と友人アナスは、森のフェンスに『いけにえ』の牛を連れて来ていた。
地面に子供の足跡をみつけたムラ―は、アナスにフェンスの中に入り『いけにえ』を捧げることを任せて、一家のところに向かった。
ヨセが小人に傷の手当てをしようとしていると、キャスパーが帰ってきて見つかってしまう。
ヨセはキャスパーに口止めし、小人の傷に絆創膏を貼るのを手伝わせた。
その様子を納屋の外からのぞいていたムラ―は、小人を見て驚き慌てて車に戻る。
車を走らせながらムラ―はアナスに電話をし「赤ん坊が外へ出た。早くフェンスの外へ逃げろ」と忠告し、急いでアナスの元へ向かった。
フェンスの扉に到着したムラ―は、アナスの名を呼ぶ。
その時、フェンスの中からアナスの首が飛んで来た。
次の日の朝、納屋に行ったヨセとキャスパーは、猫の死骸を見つける。
食べられた様子の猫をみたキャスパーは、ヨセに小人に近寄らないように忠告するが、ヨセはますます小人に魅せられていく。
そのころ、島ではカーンを中心にアナスが襲われた件で集会が行われていた。
カーンは怯える島民に「私がみんなを守る」と約束した。
ヨセは、フェンスに閉じ込められている小人たちを可哀そうだと嘆き、連れて来た小人をキーコと名付けかわいがった。
キャスパーはそんなヨセの様子を、言葉を失って見ていた。
しばらくすると、カーンが訪ねてきて一家をお茶に招待した。
リウに会えると聞いて喜んでついて行くキャスパー。
ヨセは行くのを嫌がったが、シャルロットが許さなかった。
カーンの家に着き、お茶をごちそうになる一家。
ヨセはなぜ森にフェンスをしたのかと、カーンに質問した。
『昔、外部の人間が森に製材所を作り、島の人々もそこで働いた。ところがある日ひどい事故が起こった。製材所の科学薬品が流れ出し地面を汚したためにフェンスで閉鎖した』と説明したカーンは、ヨセに近づいたらだめよ、と付け加えた。
ヨセはカーンからトイレを借りるふりをして家の中を見て回った。
ヨセが、カーンの部屋で小人の頭の骨を見つけた時、ムラ―から無線が入った。
慌てて隠れたヨセは2人の会話から『ヨセたちをカーンの家に留めておく間に、ムラ―がキーコを連れていくつもり』だと知った。
ヨセはカーンの家を飛び出し、海岸を走って納屋へ向かった。
シャルロットは、なかなか帰ってこないヨセを探すようにキャスパーに頼み、リウも一緒に外へ出た。
リウは、キャスパーに島から出ていくように忠告し、キャスパーたちが匿っている小人の赤ちゃんのせいで人が殺されたことを話した。
そのころ、納屋に着いたヨセは隠れていたキーコを見つけるが、見張っていたムラ―に見つかり、キーコは連れて行かれた。
ムラ―は、フェンスの中に入りキーコを放してから、大声で赤ん坊を返しに来たと告げた。
この時自転車で追いかけて来たヨセは、ムラ―の隙をついてフェンスの中に入り茂みに身を隠していた。
家に着いたキャスパーは全てを両親に話し、ヨセがフェンスの中に入ったかもしれないと言って森へ向かった。
フェンスの扉に着いたマスたちは、高圧電流が流されているフェンスの中の様子に、「地面が汚染された」というカーンの話は嘘だと気づいた。
フェンスの近くでヨセが乗った自転車を見つけたマスは、キャスパーにカーンの所へ行き、フェンスの鍵をもらってくるように指示した。
そのころ、キーコを探して森の奥に進んだヨセは、朽ち果てた製材所を見つけ中に入る。
すると恐ろしい姿をした小人を見つけ、慌てて隠れた。
キャスパーを待っていたマスたちの元へムラ―が現れる。
鍵を開けることを拒むムラ―に怒ったマスは、高圧電流の流れるフェンスの電源を切ってフェンスをよじ登ると言って設備を壊し始めた。
ムラ―はそんなマスに銃を向け脅したが、飛び掛かってきたマスともみ合ううちに、銃が暴発し高圧線にあたって電流がとまった。
マスはフェンスの鍵を奪いシャルロットに渡し、「扉を開けるな」と頼むムラ―を無視してシャルロットは中に入っていった。
カーンの家に行ったが、鍵をもらえなかったキャスパーをリウがバイクで追いかけて来た。
リウは鍵を見せ、キャスパーをバイクの後部座席に乗せて、フェンスへ向かった。
そのころヨセは、逃げようとしたが小人に見つかり、足をつかまれていた。
しかし手を伸ばした先に裁断機のスイッチがあり、スイッチをおしてそれを切断した。
製材所を出たヨセはキーコに会い、道案内をされ、探しに来たシャルロットと会うことが出来たが、シャルロットはキーコを見て驚き、追い払ってしまった。
ヨセとシャルロットは小人たちに追いかけられるが無事に逃げ切ることができた。
小人は手を伸ばしフェンスに電流が流れていないことを知り、そしてフェンスを大きく揺らした。
フェンスに着いたリウとキャスパーは、フェンスが壊されていることに気づき、島の人々に知らせに行く。
日が沈み、カーンの家にムラ―、マス、シャルロット、ヨセが逃げて来た。
そのころ、リウとキャスパーはまだ外にいた。
小人がバイクの音を追っていると気づいたリウは、バイクのエンジンをかけっぱなしにして、静かに逃げた。
夜は勝ち目がないと言って、朝を待つために座り込んだリウ。
キャスパーは、リウの両親が製材所の事故ではなく、小人に殺されたことを知る。
島から出ればいいというが、リウはカーンの後継者であるため出られないと言った。
朝になり、ムラ―とマスはフェンスを直すために出かけた。
設備を運ぶムラ―は、電気を通さないと島が一掃されるとマスに言った。
同じ時刻、カーンとシャルロットとヨセも、リウとキャスパーを探しに出かけた。
そのころ、キャスパーはリウに「外に助けを求めよう」と提案していたが、リウは「島の中で何とかする」と言い張った。
小人は島の人間よりずっと前から住んでいて、人より大きくて、大きな存在だという。
小人の住むこの島を神聖な場所だと言い、島の人々はこの島を守る義務があると言った。
納屋に戻り、キャスパーとリウを探すカーンたち。
鳥が一斉に飛び立つのを見て、小人が来ることを恐れ隠れた。
ヨセは泣き始め、こうなったのは、キーコを拾って来た自分のせいだと言った。
シャルロットはヨセを慰めるが、カーンは許さなかった。
家の中でフェンスを直す為の道具を集めていたムラ―は、すぐ近くに小人が迫っていることに気づいた。
マスはムラ―に言われるまま、車に行きエンジンをかけてムラ―を待った。
しかし家の中からムラ―の叫び声が聞こえ、トランシーバーの音に誘われて近づいている小人に気づいたマスは、トランシーバーを捨てて去って行った。
リウとキャスパーは、小人が逃げた事を島の人たちに教えに行くが、すでに島の人は襲撃された後だった。
これに恐怖したリウはカーンの無線をつかって本土に連絡することを決意し、カーンの家に向かう。
納屋に隠れていたヨセを、小人が捕まえようとする。
カーンは、小人を農具で追い払い、小人の目的はヨセだと知る。
ヨセから製材所で小人を殺したことを聞いたカーンは「あなたなら救えるかもしれない」とヨセに言い、シャルロットと引き離して森へ連れて行った。
カーンの家にたどり着いたリウとキャスパー。
リウは、無線機で本土に連絡しようとするが、コードが切断され使えないようにされていた。
森に着き、車を停めたカーン。
シャルロットを置いてきたことを怒るヨセを、カーンはハンカチで口を塞ぎ眠らせた。
ヨセが目覚めると、フェンスの中におり、鎖につながれていた。
カーンはヨセを『いけにえ』にすることで小人の怒りを鎮めようとしたのだった。
車で逃げていたマスは、ヨセを追いかけていたシャルロットを見つける。
リウとキャスパーは無線をつなげようとしたが、失敗してしまう。
その時、物置から音がし、小人と戦い満身創痍のムラ―が物置から出て来た。
ヨセは鎖を引っ張るが、びくともしない。
小人が来る気配に怯え、鎖をつなげている支柱を倒そうと土を掘った。
ムラ―とリウとキャスパーが、フェンスの修理をしていると、マスとシャルロットが現れた。
再会を喜ぶ一家だが、ヨセの行方がわからない。
ムラ―はヨセの行方に心当たりがあると言い、マスにフェンスの鍵を渡し、フェンスの修理と発電機をつなげることを頼み、リウとキャスパーと共に車でヨセの救助に向かった。
ヨセが穴を掘っているとキーコが現れ、一緒に穴を掘る。
そこへムラ―の車が到着した。
キャスパーとヨセが会えたことを喜んでいると、カーンが現れみんなに銃を向けた。
赤ん坊を奪い小人を殺したヨセを『いけにえ』にすることで終わらせる、というカーンの考えに反対したリウは、ヨセの鎖の鍵を外そうとする。
ヨセたちに銃を向けるカーンに、キーコが飛び掛かった。
カーンはキーコを投げ飛ばし、発砲し、ヨセたちに銃をむけなおす。
その時、後ろから忍び寄った小人がカーンに襲い掛かった。
その隙に車に逃げ込む一同。
ヨセはキーコに一緒に来るように頼むが、動こうとしないキーコに諦めて車に乗った。
車で逃げる途中、追って来た小人に襲われるが、車のフロントに回った小人を木にぶつけることで助かった。
走ってフェンスの外に逃げる4人を、夫婦喧嘩をしながらも発電機をつなげることに成功したマスとシャルロットが迎えた。
本土に帰る一家。
港では、ヨセがキーコに想いを馳せていた。
ムラ―はヨセを慰め、「キーコはここにいる」とヨセの胸をつつく。
キャスパーはリウと別れを惜しんでいた。
ムラ―と島を元通りにするというリウに「それが君の望み?」と聞いた。
一家と車を乗せた船の出航が迫るとき、ムラ―はリウを目で促す。
リウは船に飛び乗り、一家と一緒に本土へ向かった。
島を見つめるヨセにシャルロットは、「子供は卒業ね」と言う。
車の底には、キーコがこっそり隠れていた。
結末を考察:キーコがついて行ったのは何のため?
ヨセについて行った理由を2つ考えてみました。
- 島の外への好奇心
- 親の復讐の為
島の外への好奇心
キーコはそもそも島の人が怯えるような小人の仲間ではないかもしれません。
キーコはフェンスの外に自由に出入りしたり姿が違うことから、島の小人の赤ちゃんではなく、『家に幸せを呼ぶと言われるデンマークの妖精ニッセ』なのかもしれません。
好奇心旺盛そうなので、ヨセについて行ってフェンスだけでなく島と本土も行き来しようとしているのかも。
親の復讐の為
キーコが小人の子供だった場合、カーンを襲った小人は一緒にいたキーコの親だと思います。
キーコの親は我が子を連れて行ったり、仲間を殺したりしたヨセを恨んでいるはずですが、キーコに発砲したカーンに怒って、まずはカーンを襲いました。
それからヨセが乗っている車を追いかけるが、殺されてしまいます。
キーコが親の復讐をしようと思ってもおかしくないと思います。
赤ちゃんの頃は、庇護欲をそそる愛くるしいキーコ。
でも本来は、人間を襲う小人。
虎視眈々と復讐の機会を狙ってついて行ったとしたら怖いですね。
シーズン2があるならキーコが本土で大暴れでしょうか。
【ニッセ 闇に住まう者】感想
一家は反省してる?
ヨセの優しい気持ちが招いた悲劇ではあるけれど、誰に感情移入してみていいのかわからなかったドラマでした。
よく知らない土地でタブーを犯し、その土地の神に怒りにふれてひどい目に合うという話はあります。
しかしこのドラマで、ひどい目に合ったのはそこに住む島の人たち。
しかも当事者たちは反省の色が見られない…
静かに暮らしていた島の人たちからしてみたら、突然島にやって来た外部の人間が忠告を守らず勝手なことをし、島をめちゃくちゃにした。
後始末を全て島の人に任せて、戦いを終えたようなすっきりした顔をして去って行く。
お母さんにもやもや!
自分のせいでこうなったと反省して泣く娘に「この島で何が起きようとあなたのせいじゃない」といってのける母親。
すかさず「いいえ。あなたのせいよ。」と言ったカーンにちょっとすっきりしました。
何人死んだんだ!ってことも気にもせず、帰りの船で「もう子供扱いできないわね」と、娘の成長に喜ぶような一面。
もうすがすがしいです。
ヨセもそんな母親の気質を受け継いでいる設定なのか、あんなに反省したのに、まだキーコを連れて行こうとする…
この家で世話になるのかわからないけど、リウの事が心配になってしまいました。
ムラ―の男気がいい!
それにしても、ムラ―、いい人でした。
ヨセを許し、リウを島から解放し、後かたづけを一手に引き受ける。
はじめ怖いおじさんと思われたムラ―ですが、あんないい人なかなかいないですよね。
トラバサミに挟まれ足を負傷(骨折?)し、外部の人間のせいで島の聖なる生き物と戦わされ、頭から血を流し満身創痍のムラ―。
まさか島で生き残ったのはムラ―1人ではないといいのですが…