この記事ではネットフリックスで配信中の映画『嵐の中で』のあらすじ(ネタバレなし)・キャスト・ネタバレ感想をまとめています。
- タイトル:嵐の中で
- 公開:2018年
- 製作国:スペイン
- 上映時間:128分
- 監督:オリオル・パウロ 他作品「ロスト・ボディ」「インビジブル・ゲスト」など
- ジャンル:SF映画・サスペンス映画・恋愛映画
- おススメ度
映画『嵐の中で』あらすじ・ネタバレなし
看護師のベラは、夫ダビドと娘グロリアの3人暮らし。
中古住宅を購入し引っ越してきたベラたち一家の家は、以前ニコと言う名の少年が住んでいて事故で亡くなっていた。
ニコは部屋の窓から隣人が争っているのを目撃し、様子を見に行った際に見つかり逃げた時に車に轢かれ死亡したという。
ニコが亡くなったという25年前の今日、偶然倉庫で見つけた古いテレビとビデオをつなげたところ、25年前の住民ニコとつながった。
ベラはニコに事情を話し外へ出ないように伝えニコは命拾いをしたのが、今度はベラに異変が起きる。
突然病院のベッドの上で目覚めたベラは看護師ではなく医師になっていた。
混乱するベラは学校へグロリアを迎えに行くが誰もグロリアを知らないと言い、夫ダビドの職場を訪ねるもダビドはベラの事すら知らないと言う。
状況が呑み込めないベラは警察へ行き、そこで話を聞いてくれるレイラ刑事と出会う。
ベラはニコを助けた事によって世界が変わったと言い、グロリアを取り戻す為に25年前に助けたニコを探し始める…
映画『嵐の中で』感想・ネタバレあり
この映画は過去に干渉する事で3つの世界が作られます。
そしてベラは、2番目の世界では元の世界の記憶を引きついでいるので、病院で目覚める以前の2番目の世界の記憶がありません。
2番目の世界の病院で目覚めたのは?
たまたまつながった25年前の少年を助けたことによって元の世界が変わってしまい、目覚めたら医師になっており、グロリアはこの世から存在しておらず夫も自分の事を知らない2番目の世界。
目が覚めたら病院のベットの上で寝ており同僚から「先生」と呼ばれ、手術をするように言われ大混乱に陥るベラ。
たまたま数日前に外科手術で失敗して心神喪失の状態だったという事もあり周りからは「ちょっと錯乱しているのかな?」と言う程度に思われます。
周りにしてみたらさっきまで手術をするつもりで出勤していた医師が、急に自分は看護師だと言い出し、いないはずの子供がいなくなったなんて騒いだら「大丈夫か?」って心配ですよね。
前の世界では娘が生まれたから医師を諦めたとありましたが、この世界では超優秀な外科医として活躍していたとのこと。手術をした記憶はなくても体が覚えてて出来てしまったりして。
ベラが病院のベッドで目覚めたのは、2番目の世界のベラがちょうど手術前の仮眠をとっていたタイミングだったのかもしれません。
タイムリミットが短すぎる?
とにかくグロリアがこの世に存在しない事で大混乱に陥ってしまっているベラは警察へ駆け込み、ベラに親身になってくれるレイラ刑事に出会います。
グロリアを見つけ出すと言って元の世界で住んでいた家に忍び込むベラ。そこにはダビドと2番目の世界では妻となっているウルスラが住んでいました。
ここでもベラは「ここは私の家。グロリアはダビトと私の娘」と言い張ります。
ベラの気持ちになると本当に切ないのですが、ウルスラの立場になってみれば「何言ってんの?こいつ」となってしまうので、当然ながら警察を呼ばれてしまいます。
着々と元の世界の関係者に会っては気味悪がられながらも情報収集するベラですが、昔ニコと話をしたことがあるというカレン・サルドンと出会い、過去との接続できるリミットがあと19時間しかないことを知って焦ります。
- 過去に繋がる為に必要な物:ビデオ・テレビ・気象条件・場所
- 25年前と同じ条件の嵐が始まったのはカレンに会って時点から53時間前
- 25年前の嵐のデータは72時間続いていた事により接続できるリミット残り19時間
- 場所は今はダビドの家でこっそり忍び込む必要あり
普通だったら、あたふたしている間にタイムリミットがきてしまいそうなほど短い時間ですがベラは諦めません。
レイン刑事が見せたダビドの正体
レイン刑事を協力させるために、元の世界でアンヘルがヒルダをプリエト食肉処理場の地下に埋める予定だったと言っていたことを思い出し、処理場の地下からヒルダの死体を見つけます。
元の世界を証明させレイン刑事を協力させるはずが、なぜか当時少女だった年齢のベラが遺体の隠し場所を知っていた為に容疑者になってしまったという…
ただでさえ時間がないのに!とハラハラして観ているとレイン刑事がこっそり逃がしてくれました。
そしてレイン刑事からニコへの手がかりとなるメモを渡されます。
しかしメモにあったホテルに行ってみると、そこはダビドの浮気現場でした。
ホテルのマッチをみて元の世界でも浮気されていたことに気づくベラですが、今はそんなのどうでもいい様子で、浮気を盾にダビドを脅して銀行の顧客名簿からニコの住所を突き止めます。さすが元の世界では妻だっただけあるなとわくわくします。
ついにニコに会えた!
そしてニコの家に向かったベラの前に現れたのは、レイラ刑事でした。
しかも今の夫という。
ニコの本名はニコ・ラサルテ・レイラ。
レイラ刑事は、ニコの後の姿でした。
好奇心旺盛なニコはベラの助言によって事故にあう事は免れたけれど、気になって隣人に忍び込んでしまいます。
そこで遺体の解体ショーを目撃してしまうんですね。
気を失っちゃダメ!吐いちゃダメ!絶叫しちゃダメ!とハラハラしましたが、隠れていたことによって、犯人の証拠となる時計を手に入れるのですが逆にニコが泥棒扱いされてしまいます。
その後引っ越したニコは再びベラに会えることを信じて顔だけを頼りに何年も何年も駅で探し、やがて電車に乗っているベラを見つけ仲良くなります。
1回目の世界では電車でベラと仲良くなったのはアイトルで、アイトルの紹介でダビドと知り合った為、2回目の世界でニコと出会ったベラはダビドと知り合いようがなかったのです。
ニコはベラと通信した未来の日にちがわかっていたので、ベラの変化も落ち着いて対応できたんですね。
だけどまさか今までの記憶が1番目の世界の記憶と入れ替わるなんて想像していないですよね。冷静な対応、役者さんみたいです。普通なら「え…?俺!俺!」ってなりそうじゃないですか?
ベラがベランダから飛び降りた理由
ニコにとってみたらまさしく運命の人のベラですが、ベラにとっては前の世界の記憶しかなく、ニコは一瞬モニターであっただけの男の子です。
ニコはなんとかベラとこのまま幸せに暮らしたくて、元の世界に戻ってもダビドは浮気性だよと教え留まらせたかったのですが、ベラは夫よりもグロリアです。
グロリアも夫なしでは誕生しません。
グロリアに会うためにニコに世界を変えることを託してベラはベランダから飛び降りてしまいます。
ベラが飛び降りた理由は、過去と繋がっている時間がもうほとんど残されていなかったからだと思います。おそらくあと数時間しかないと。こうでもしないとニコは動かないと思ったのではないでしょうか。
なので、ベラは命懸けで賭けに出たわけです。
そしてニコはベラが生きる未来にする為に、隠しておいたテレビとビデオをもって昔住んでいた家に忍び込み過去の自分にアクセスします。
そしてベラに固執しない事、ウルスラの事を忘れるように頼みます。
3番目の世界
そして再び目覚めたベラ。そこはダビドと結婚し、グロリアもいる世界でした。
内心で「よくやった!」とニコを褒めていると、アンヘルがクララと再婚して仲良く早朝散歩をしている姿をみかけます。
食肉処理場に忍び込み遺体を見つけたベラ、そしてやってきたのはまたまた刑事になったニコでした。
2番目の世界でニコと最後に交わしたキスによって2番目の記憶もばっちり持っているベラは、ニコを愛おし気に見つめます。
それにしてもニコ。幼少期に2回も未来からの通信を受け取ったのだから科学者の道に進みそうですが、再び刑事に。
よっぽど刑事になりたかったんですね。それとも大人ニコに刑事になって再びベラに会うように仕組まれたかな?
3回目の世界は浮気性の夫とは離婚してグロリアを連れてニコと再婚するという未来が待っているといいです。
映画『嵐の中で』キャスト
ベラ(アドリアーナ・ウガルテ)
職業:看護師。医師になりたかったが、娘グロリアが生まれたことで断念。
25年前に死ぬはずだった少年ニコ・ラサルテを助けた為に、世界が変わってしまい娘が生まれていない世界になってしまった。グロリアに会うためにニコを探す。
ニコ(ジュリオ・ブイー・ガス)
母親と二人暮し。将来は歌手になるのが夢だった。
1番目の世界ではプリエト家の殺人現場を目撃し、包丁を持ったアンヘルに見つかり逃げた際に車に轢かれて死亡するはずだったが、ベラの忠告によって命が助かった。
レイラ刑事(チノ・ダリン)
2番目の世界大混乱しているベラに親身になってくれている刑事。
ダビド(アルバロ・モルテ)
ベラの夫で浮気性。だがベラは気づいていない。
1番目の世界ではベラの夫でウルスラが浮気相手。
2番目の世界ではウルスラの夫でベラの職場の看護師が浮気相手。
浮気現場はなぜかいつも同じホテル
グロリア(ルナ・フルヘンシオ)
ダビドとベラの娘。
2番目の世界ではベラとダビドが知り合わなかった為生まれていない。
クララ(ノラ・ナバス)
アンヘルの浮気相手であり、アイトルの母。
ヒルダを刺してしまった張本人でもある。
1番目の世界は息子アイトルと暮らしている。
2番目の世界ではヒルダが亡くなった5年後にアンヘルと再婚。
1番目の世界と2番目の世界ではまるで別人のよう。
アイトル(ミケル・フェルナンデス)
職業:パイロット
クララの息子でニコとは親友だった。
ベラとは電車の中で知り合い仲良くなった友人でベラにダビドを紹介したのがアイトル。
2番目の世界でベラと知り合わなかったのは、1回目の世界でアイトルが座っていた場所にニコが座ったから。
アンヘル・プリエト(ハビエル・グティエレス)
プリエト食肉処理場のオーナー
1番目の世界は妻殺しの犯人として服役中自殺。妻は工場の地下に埋める予定だったと自供。
2番目の世界はヒルダを所有する工場の地下に埋めたあとクララと再婚
ヒルダ・プリエト(クララ・セグラ)
アンヘルの妻。
アンヘルとクララの浮気現場を目撃しもみ合っている最中にクララに刺されてしまう。
ウルスラ(アイナ・クロテット)
1回目の世界ではダビトの浮気相手
2回目の世界ではダビトの妻
カレン・サルドン(ベレン・エル)
職業:大学教授
ニコをカウンセリングしたことがある。その時の体験をもとに本を執筆している。
カレンから最初の変化が起きた時と全く同じ条件を再現すれば過去に繋がるかもしれないと助言される。
まとめ
初めから細かな部分が「ああ!」ってなる映画でした。
例えば
- クララが体調不良で学校に送っていけないと言ったのは隣の奥さんを刺した後だったから
- ベラが元居た家に侵入した時先にこじ開けられていたのは大人ニコが先回りして侵入したから
- 子供ニコが2度目に通信の時に見た一瞬写った影は、ベラより先に家に侵入し通信できるか確認した時大人ニコの姿
などなど。
ベラが子を想う気持ちとニコがベラを手放したくない気持ちが3番目の世界で叶うといいですね。