この記事ではネットフリックスで配信中の映画『ナイトブック』のあらすじ(ネタバレなし)・キャスト・ネタバレ感想をまとめています。
ファミリー向けファンタジーホラーだと思ったらなかなか怖いです!
でも怖いだけではなくメッセージ性のある映画です。
- タイトル:ナイトブック
- 公開:2021年
- 製作国:アメリカ
- 上映時間:1時間43分
- 監督:デビッド・ヤロベスキー 他「ブライトバーン/恐怖の拡散者」など
- 製作:サム・ライミ 他「死霊のはらわた」「ポルタ―ガイスト」など
- ジャンル:ミステリー・ファンタジーホラー
- おススメ度
映画『ナイトブック』あらすじ・ネタバレなし
あることで傷ついたアレックスは、自分で書いた怖い話「ナイトブック」を燃やすためにマンションのエレベーターに乗った。
焼却炉がある地下に着いたアレックスは、大好きなホラー映画の音声が流れている部屋に引き寄せられていく。
映画に誘われ入った部屋にはケーキがおいてあった。
ケーキを食べて気を失ったアレックスが目覚めると、そこには魔女が立っており魔女の屋敷の中だった。
魔女から「おまえは何ができる?」と聞かれ殺されそうになったアレックスは、とっさに怖い話ができると答え、気に入られた魔女から毎晩1話ずつ怖い話を聞かせるように言われる。
屋敷にはもう1人、3年も前から魔女に連れてこられて閉じ込められている少女ヤズミンがいた。
怖い話を作っていたアレックスは、魔女の書庫で偶然見つけた本の中に脱出のヒントを見つけ、ヤズミンと力を合わせて脱出を試みる。
映画『ナイトブック』感想・ネタバレあり
基盤はヘンゼルとグレーテル
話は全体的に「ヘンゼルとグレーテル」がベースになっています。
アレックスが魔女ナターシャの屋敷で目覚めた時、ナターシャの犠牲になった子供たちの服がたくさんクローゼットにかかっていました。
ナターシャの屋敷が、子供たちをおびき寄せる為に釣ったものはそれぞれ違います。
アレックスはホラー映画とケーキ。
ヤズミンは祖母と昔一緒に作った思い出の料理の匂い。
飢饉が続き、お菓子で飢えた子供たちを釣った時代の「ヘンゼルとグレーテル」と違って、現代では子供たちをおびき寄せるために心理作戦に出るところが単純じゃなくて怖いです。
魔女が教育熱心過ぎて才能をつぶしちゃう?
ナターシャは、目的があってアレックスの作った怖い話を毎晩聞きます。
「今から聞きます!」という態度でアレックスの話を聞くナターシャ。
膨大な本を読んだせいか知識人で、アレックスが作る物語の矛盾を突いていきます。
ながら聞きではなく、アレックスが作る物語に真剣に耳を傾け、矛盾点を冷静に伝える姿はまるで教育者のようでした。
「ナイトブック」を燃やすつもりだったというアレックスに「あんたの頭の中には美しい闇がある。喜ぶべきじゃない?」とアレックスの才能を認めたり、ダメ出しする時もここがおかしいと伝え、きちんとアレックスに向き合うナターシャ。
怖い話が大好きで、好き勝手に書いていた時は楽しかったでしょうが、ナターシャから色々とダメ出しされながらネタが浮かばないと、天井を見上げて悩むアレックスの姿はまるで本物の作家のようでした。
ナターシャが熱心過ぎて、アレックスが本当に怖い話を作るのが嫌いになってしまいそうでしたね。
母親目線で観ると、見習うべきところや考えさせられるところが多くありました。
勇敢で賢いアレックス
アレックスは「ナイトブック」に怖い話を書きながら、偶然魔女の書庫で古い本に書かれた日記を見つけます。
魔女に見つからないように何冊かに分けて書かれた日記には、魔女を眠らせて脱出する方法が書かれていました。
これに気づき脱出を計画するアレックスですが、とにかく勇敢です。
- 自分も殺されそうになっているのに、ヤズミンやレノーアを庇う。
- 「ナターシャの菜園」でシュレッターという名の切り刻む生物から、危険を顧みずレノーアを救う。
ヤズミンはもちろん、ナターシャの飼い猫であるレノーアまでがすっかりアレックスの味方になってしまいました。
ナターシャが間違いを指摘するところを利用して、怖い話を読み聞かせながら脱出に必要な植物の名を聞き出す賢さも爽快です。
ナターシャの正体
ナターシャを眠らせ家の外に出られたと思ったアレックスたちですが、まだ魔女の世界の中でした。
森の中で「ヘンゼルとグレーテル」にでてくる魔女の家を見つけた2人は、ついお菓子を食べてしまい気を失ってしまいます。
目覚めたアレックスがヤズミンを探して家の奥に進むと、牢屋に入れられたヤズミンと眠っている本物の魔女、そしてナターシャがいました。
実はナターシャも子供の頃、魔女に捕まった犠牲者の1人だったのです。
捕まった子供たち全員が魔女に食べられていく中、ナターシャは必死で魔女に取り入り信用させます。
そして魔女を眠り薬で眠らせることに成功し、ナターシャが家に帰ると両親はどこかへ引っ越していました。
仕方なく魔女の元に帰ったナターシャ。
魔女の書庫の本に脱出方法を記し逃げた子供は、ナターシャだったのです。
以来魔女を怖い話で眠らせ続ける為に、魔女の道具を使い子供たちをさらってきては怖い話を作らせ読ませているのでした。
主人公アレックスの成長
魔女が今にも起き出しそうなので、ナターシャから怖い話をするように言われるアレックス。
ネタが尽きたと言うアレックスですが「ナイトブック」を燃やす理由が、アレックスにとっての”怖い”だから話せと言われます。
怖い話が大好きでみんなから不気味がられて友達がいなくなってしまったアレックス。
唯一の親友でさえ離れて行ってしまったのです。
アレックスは自分の誕生日パーティに親友や同級生を呼び、怖い物語を書き、部屋を怖く飾って友達が来るのを待っていましたが誰も来ませんでした。
自分の事も大好きな事も嫌いになったというアレックスの話は、アレックス自身が怖いと思っているので魔女を眠らせ続けるには充分でした。
しかしアレックスは「魔女に捕まった事で、ありのままの自分を受け入れてくれるヤズミンに出会えたことが最高の幸せ」と物語をハッピーエンドで締めくくったので、魔女が起きてしまいます。
あんなに傷ついて普通でいる為に好きなものを封印しようとしたアレックスですが、こんな一番厄介な状況で素直になる事にしたのです。
魔女と魔女の戦い
子供のころから魔女に怯え続けていたナターシャですが、起きてしまった魔女と「長い間あなたに怯えて暮らしてきた。でも私はもう子供じゃない」と言って戦います。
ナターシャもここで過去の恐怖を払拭して戦う事を選びますが、残念ながら負けてしまいまうのでした。
魔女の道具を隠し持っていたヤズミンが魔女の結界を解いて外へでると、アレックスのマンションのエレベーターの中でした。
しかし安心したのもつかの間、魔女が追いかけてきます。
口から粘着力のあるお菓子のようなものを吹きかける魔女。
お菓子っぽくソフトな感じにしていますが、もし違うものを口から出していたら滅茶苦茶グロいです。
魔女の吐しゃ物で汚れ切った2人が、魔女に怯えながら地下の焼却炉まで行く姿は完全にホラーです。
まるでエイリアンを彷彿とさせます。
怖い話を即興で作って魔女を焼却炉におびき寄せるアレックス。
興味津々に物語を聞き入り「続きを~」とばかりに迫ってくる魔女。
焼却炉に本を投げ込むと「話が~」と言って焼却炉に突っ込んでいきます。
凄く緊迫しているはずなのに設定が面白くて思わず笑ってしまったのですが、2人と1匹のファインプレーで魔女を焼却炉に燃やすことに成功します。
でも魔女が焼ける姿は完全にホラーの描写でした。
ファミリー向けだが残酷
もともとは勇敢なアレックスが魔女に捕まった事によって親友もでき、自分ともしっかり向き合う事ができた物語。
母親目線で観ると、子供たちには自分に正直であってほしいと思う反面、集団生活で浮かないようにと願う気持ちもあるので、最後にアレックスが幸せそうだったのを観てほっとしました。
でもハッピーエンドばかりではなく、ナターシャを怒らせ人形に変えられた子供たちは元に戻りませんでした。
ナターシャも子供の頃に捕まり、両親に会う事を夢見てなんとか逃げ出すも両親はナターシャを置いて引っ越していました。
帰る場所もなくなったナターシャは、自ら魔女の家へ行くしかなく、魔女を眠らせる続ける為だけに生きた悲しいお話でもありました。
映画『ナイトブック』キャスト
引用元:ネットフリックス
アレックス・モッシャー(ウィンズロウ・フェグリー)
怖い話が大好きで友達に怖い話を聞かせていたが、周りからは受け入れられず唯一の親友も去って行くことになる。
準備した誕生日会には誰も来てくれず傷つきまくったアレックスは本当の自分を殺して、「普通の子供」になろうと決心する。
ヤズミン(リディア・ジュウェット)
3年前から数人の子供たちと魔女に捕まっていたが、友達に助けられ1人生きのびていた。
掃除や薬の調合、食事など魔女の身の周りの世話をしている。
昔祖母と作ったドロワットという料理の匂いに誘われて魔女に捕まった少女。
ナターシャの魔女の衣装も素敵だが、ヤズミンの服装や服装に合わせて髪型を変えるも可愛いくて素敵。
魔女:ナターシャ(クリステン・リッター)
子供をさらってきては怖い話を毎晩語らせる。
役に立たないと判断すれば殺してしまうか、人形に変えてしまう。
飼い猫も実はナターシャに怯えていた。
さすが元ファッションモデルだけあって抜群のプロポーションのクリステン・リッターさん。
ちょっとした仕草が妙にかわいくて目が離せませんでした。
猫:レノーア
ナターシャの飼い猫で、子供たちの見張り役。
透明になる事が出来き、屋敷内どこでも行ける。
アレックスには攻撃的で、威嚇したり、朝食の上にフンをしたりと嫌がらせをしていたが、
命を助けられてからはすっかり懐き一緒に逃亡する。
小憎らしかった半面、アレックスに助け出されたときの鳴き声がかわいい。
魔女
ヘンゼルとグレーテルに出てくる魔女。
お菓子で子供たちをおびき寄せては食べていた。
怖い話が大好きで、怖い話が子守歌代わりになる。
まとめ
ファンタジーだと思い込んで観たので、どこか不気味で陰鬱な気配もあってびっくりしました。
このまま見続けると、スプラッター映像を観てしまうのではないかとヒヤヒヤしましたが大丈夫でした。
ファミリー向けなので変な生物をつぶすシーンや魔女が何か吐くシーンは色を変えたりしているけど、表現によってはかなりグロいです。
薄暗い部屋、いつ現れるかわからない魔女。
そして魔女が焼かれるシーン。
大人が観ても充分怖いと思います。